三重県 S様 KZ1000 トゥーカッター仕様 腰上オーバーホール 完成
前回の続きです!
かなりお待たせいたしました💧
早速作業にかかります!
まず、#3の未燃焼ですが写真のように(分かりづらいですが)INもEXもバルブがシート面に当たっていません。。
髪の毛程も当たってません😅
#3だけ吸引圧力が弱かったのはバルブの不密着が原因です。
入庫前は明らかにパワーが無くおかしい。。。とオーナー様がおっしゃてました。
これでは絶対パワーがでません😥
全気筒も似たようなシート形状で#3が顕著でした。
以前にヘッドを修正した人がバルブをリフェースしたみたいですが肝心のシートカットがされていません。
ヘッドは出力を生む最後の砦です!
プライベーターにありがちなバルブをただ擦り合わせただけでは絶対改善できません!!
今回の問題点の要点はこのヘッドにありました。
カーボンを除去しました!
EXのシートリング外周の一部に隙間がありますがこれはZ系ではよくあることで、問題はありません。
製造段階での精度の悪さはこの時代当たり前の助です!
リング自体はしっかりヘッドに馴染んでますのでここを無理に修正しても金がかさむだけです。
シートカットの精度が一番要です!
シートカットが完了しました!
3面カットで30°、45°、70°になります。
製造段階のカットの精度は勿論悪く、当店にて修正しガイドに対して真円はバチバチに出ています!
これでこのエンジンは復活確定です!
摺り合わせを全気筒行いました。
全気筒とも同形状にカットし精度も抜群です!
ヘッド単品でタペット調整を済ませドッキングまで待機です。
ピストンを組付けた際に何かを発見!!
ん?
#2ピストンの下にプラスティックのような物体を発見!
正体はこれ!
以前ブロックを取り付けた人がピストンリングをこのプラ治具を使用して入れた際に
そのままクランクケースにドロップインしてしまうという豪傑龍神丸な忘れ物。。
ってか、忘れるぅ!?ここだけ!?
これは初の異物でオーナー様に確認すると数十年前の某愛知のショップの作業依頼ずっとこのまま
状態やったみたいです😥
全国のバイクオーナーの皆様、日本のショップ(プライベーターも含む)はピンキリが非常に多く(キリが多数)エンジンを開けてただ蓋を閉じて、ハイ終いな所が多いのが現状です。。
プラスティックなのでクランクウェブに当たってもウェブが勝つので支障はきたさないのですが
さすがにヤバい忘れ物ですね。
次はどんな忘れ物があるか楽しみになってきました。
では続きです。
ブロックを取付けます。
ヘッドをドッキングし最終のタペット調整です。
全て当店の指定値に合わせました!
ヘッドカバーを取付け、点火はウオタニに交換!
DYNAの点火ユニットが付いていましたがスーパーゴミ屑なので産廃ボックスに捨てましょう!
実際は捨ててませんが、ホンマにトラブルが多くウオタニには絶対勝てません。
そしてエンジン点火!
静かに力強くアイドリングしました!
試走に行きます!
キャブセッティングも決まり快調です!
CRの出荷標準ジェッティングとは比較になりません。
CRキャブは吊るしのまんまでは本来の性能は発揮できません!(実際は吊るしの人が多い)
必ずジェッティングが必要です!
試走が終わり各部増し締めして納車を待つのみとなりました。
今回はシリンダーヘッドが全ての要因でした。
ヘッドが完調でないとキャブを触ろうが何しようが全く無意味です!
時間とお金と労力を浪費するだけです。
旧車乗りの皆様、キャブやら何やらで改善されないのでしたら今一度ご自身のエンジンを見直した方が良いかもしれませんね😅
ヘッドだけでここまで本来の性能に戻せます!
しかしTOECUTTER仕様が格好良すぎです。。。
これからバチバチに乗ってくださいね😁
KZ1000完成です!