GPZ750F ボーリング加工・シリンダーヘッド加工
今回は地元の業者様からのご依頼でブロックとヘッドの内燃機加工です。
症状としまして、白煙と2000~5000RPMでの異音がするとのことです。
早速各部をチェックします!
ブロック上面の歪みは許容範囲内、少々の歪みはありますが全く問題ありません。
シリンダー内は錆と局部的に摩耗大でした。
オイル上がりによる白煙はピストンを見れば分かります。
オイルリングは固着し機能していない状態までになっていました。
過去に人の手が加えられていた形跡がありました。
バルブも摩耗が激しくリフェース研磨でも修正しきれないほどでしたので新品に交換します。
ここのリフェースは摩耗具合で判断します。
この中古バルブは傘部の肉厚が極端になくなると判断し交換しました。
ピストン・シリンダークリアランスは#1のみ極端に狭い状態で他は摩耗しきっていました。
ボーリング加工に移ります!
1mmオーバーサイズのピストンを使用します。
各気筒の位置を正確にだし、セットします。
規定寸法まで切削していきます。
ホーニング加工も終わりブロックはこれにて完了です。
ピッチ、寸法、面粗度もバッチリです😁
お次はヘッドです。
分かりずらいですがシート部も摩耗がありこれでは正常な気密を保てません。
加工が完了しました。
45°、60°の二面加工になります。
必要最低限の切削です。
摺り合わせ作業になります。
シートカットとバルブフェース面の平面が綺麗にでていないと摺り合わせは全く意味がありません。
IN、EXとも外当たりとし、全面きれいに当たっています👍
サンメカや他のショップは両面をリフェースせず摺り合わせをして「摺り合わせしました」
という場面をよく耳にしてきました。。
雑誌とネットの浅はかな情報に踊らされますのでここは精度の良い機械加工が必須です。
ヘッド単体でタペット調整します。
そしてカワサキ純正で2.70~のシムが廃盤に。。。
2.65が入るようステムエンドを研磨し全て規定値にセットし完了です。
これで全メニューが完了しお渡しすれば完成です。
燃焼室のボリュームも測定し圧縮比も算出済みです。
このメニューだけでも体感できるほど好調になります。
旧車はメンテナンスしてこそです。いまだに車両自体が高額なのが納得いきませんが😥
GPZ750Fシリンダーブロック・ヘッド加工完了です!